健診でのPSA検査から前立腺がんが疑われてダヴィンチ手術を受けました。手術前から手術後の生活の変化や必要になったお金のことなど前立腺がんについての出来事をお伝えします。
4月9日 職場健診の結果 PSA値は…
3月15日に職場の健診がありました。PSA検査も申し込んでいました。父が前立腺がんの治療中というのが申し込んだ理由でした。前立腺がんは遺伝傾向があると聞いていたのでもしかしたらという気持ちがありました。
前立腺がんの遺伝傾向はいろいろなところで解説されていますが、親兄弟に前立腺がんを患っている人がいるとがんになる確率は5~11倍になるという報告があるそうです。
遺伝というのは恐ろしいな。
そして、
健診の結果、「PSA 4.4」
コメントがあり、専門医の受診がすすめられていた。やっぱりな。
すぐに地元の大きな病院の泌尿器科を予約しました。
4月15日 はじめての総合病院の泌尿器科の初診
総合病院の泌尿器科を受診しました。
尿検査と血液採取の後、医師の診察を受けました。
各検査の待ち時間から診察までに約2時間くらいかかりました。
あらためてPSAを測定したら、「PSA 4.4441」でした。
念のために検査を続けることに。10日後MRI検査になりました。
この時はまだ担当医は軽い感じで、「念のためにもう少し検査しましょう」という感じでした。
この時はまだ。
次回はMRI検査をすることになった。前立腺がんの有無や場所、前立腺がんの広がり具合や転移などを調べるらしい。
今日の費用 3030円
4月25日 MRI検査だけで7000円!
午後からMRI検査だけ受けた。待ち時間を含めて1時間くらいだったかな。
この日は検査だけで、結果は後日。
ちょこちょことした検査が続いて仕事を休むことが多くなってきた。がんの診断や治療でも職場の理解が必要だな。
出費もちょこちょこ重なっていく。
今日の費用 7050円
これまでの合計費用 10080円
4月30日 MRI検査の結果は…、「よくわからない」
主治医:「よくわからない。細胞を取って調べる検査が必要です。」
MRI検査では癌かどうかはっきりしなかったらしい。
前回の検査で7050円払ったぞ…。はじめから針生検でよかったんじゃないか…。
針生検をして細胞を調べることになった。1泊2日の入院が必要だとのこと。
検査が重なってきて、いよいよがん患者っぽくなってきたな。
来週、入院の説明をきくためだけに入院センターを訪ねることに。
今日の費用 4800円
これまでの合計 14880円
6月7日 針生検のために入院。「もう好きにしてくれ」の境地
針生検の検査のために1泊2日の入院をしました。
1日目に検査。そのあと、様子観察のために1泊して退院でした。
1日目の流れは、午前中に入院して午後14:00から検査でした。
歩いて手術室に入りました。手術台に腰掛けて前かがみになり腰に麻酔を打ってそのまま寝転がり麻酔が効くのを待ちました。
両足を台の上にのせて股を開いて検査でした。ちょうど、女性が出産するときの分娩台に乗っている時の恰好だと思う。
ここまでくれば、「もう好きにしてくれ」の心境。
主治医「今から検査しますね~」の言葉の後から股の下で、「パチン!パチン!」と十数回音がして終わりました。
痛みなどは全くなく、あっさり終わった印象でした。
検査後は次の日までただ寝ているだけ
検査後は腰にした麻酔のせいで両足はマヒしているので麻酔からの回復を待ってただ寝ているだけです。
検査の後、おしっこが出ないとチンコに管を入れる必要があるとのことで心配していたけど無事におしっこが出て安心した。
今回の費用 52290円
これまでの合計 67170円
6月14日 針生検の結果は、「前立腺がん」でした。
前回の検査の後に次の診察の時には結果の説明があるので奥様と一緒に来るように言われていました。
針で前立腺の細胞組織を12本とって、そのうちの3本にがん細胞が見つかった。
これで「前立腺がん」が確定しました。
前立腺がんの告知の後、どういう治療をしていくかを主治医と話しました。
その結果、ダヴィンチによる手術による前立腺全摘出術を受けることに決まりました。
主治医は1か月後くらいの手術の予定を提案してくれたのですが、近々で2週間ほどの連続した休みが取れず、3か月後に手術の予定となりました。
今日の費用 5620円
これまでの合計 72790円
6月28日 がんの転移確認のため、骨シンチとCT検査
ダヴィンチ手術の前に体にがんが転移していないかを調べるために骨シンチとCT検査を受けました。
前立腺がんは骨に転移しやすいらしく、ちょっと心配していました。
転移が起こりやすい場所として、脊椎、肋骨、骨盤、大腿骨があるらしい。
骨シンチに使う造影剤はとても高価で使用期限が決まっているらしく、キャンセルのルールの説明を何度もされました。
8月23日 手術前の説明と同意書記入
手術前に手術の流れとそのあとのことの説明、麻酔科のお医者さんからの麻酔についての説明とたくさんの同意書の記入のために病院に行ってきた。
麻酔科医の説明では、歯の治療中か?ぐらついている歯はないか?とか確認されて、手術後は咳が出るよとか説明を受けた。
その説明を受けたうえで、「全身麻酔を受けます」と同意書にサインしました。
同じ日に、主治医による手術時の同意についてもサインした。何に同意したかおぼえてないなあ。
今日の費用 4580円
これまでの合計 77370円
9月3日 明日いよいよ手術だ。入院生活の始まりだ。
入院は手術前日でした。
個室を申し込んでいたけど空きがなくて三人部屋に。おじいさんと若者と私。幅広い年齢層の部屋になりました。
手術直前にすること
- 剃毛(おなかとチンコ周り太ももの内側の毛を剃ります)
- 点滴によるルート確保
- 下剤で腸の掃除
夜は同室のおじいさんがガチャガチャしてよく眠れなかった。コンビニの袋の音は意外と耳障りで気になることが分かった。
そして暑がりなのでエアコンの調節ができないのはつらかった。
この日を境におしっこに苦労する日々が始まることがこの時は想像できていなかった。
軽く考えていた自分が甘かった。
9月4日 手術当日 手術は一瞬で終わったが…
昨日はよく眠れず。緊張となれないベッドと枕。そして同室のおじいさんが深夜も朝方もがちゃがちゃカサカサ。
手術はお昼から。それまでのんびりと過ごしました。
14時になり看護師さんが呼びに来てくれました。奥様は待合室で5時間くらい待つそうで、「行ってきます」と伝えて手術室に歩いていきました。
手術室に近づいている雰囲気から少しずつ緊張が高まりました。
手術室に入り、腕輪と名前を確認されてベッドに横たわりました。そして、麻酔が始まりました。
私の記憶はここまで。
肩をたたかれて目が覚めると手術は終わっていて、両手両足に色々なものがつながれていました。
このあと、HCU(High Care Unit:高度治療室)で20時間ほどすごしました。
点滴の管や両足のマッサージの機械によって仰向けで寝たままの状態で体を動かすことができず、この拘束みたいな不自由さが20時間続くことになります。このHCUでの体験がこれまでの人生最大の苦痛となりました。
尿道カテーテルが痛い。ちんこ左側の付け根が痛い。かかとが痛い。腹にチューブ刺さってる
人生最大の苦痛を味わったHCUから戻ってくると個室に入れたのでほっとしました。
最初の食事はお粥でした。それまで絶食だったので久しぶりの食事がお粥でも内臓に染み渡る感覚でとてもおいしく感じました。
手術後から起きてる時間を増やしていくように指示を受けていたので、起きようとするけどおなかに力が入らず起き上がるのに大変だった。
チンコのカテーテルがものすごく違和感ありで体の動きに合わせて外尿道口を引っ張られるような感じで痛みが出ました。
そして、なんか左足の様子がおかしいことに気づきました。チンコの左側の左鼠径部が変な感じがしていて、触ってみると感覚が鈍いことに気づきました。
その時は麻酔とか手術で同じ姿勢を長時間とっていたせいで少ししびれているのかと簡単に考えていたのですが、後々も悩まされることになります。
9月8日 手術後、初うんこ
ただただ朝昼晩ご飯を食べてごろごろしてる。
手術後、初うんこが出ました。でも、うんこを出そうとおなかに力を入れると手術の傷跡が痛い。いきむとカテーテルのせいかチンコも痛い。
今日、うんこが出なかったら浣腸することになっていたのでホッとしました。
チンコに差し込んだカテーテルのせいで座ると股間が痛いので、立っているか寝ているかしかできない。
でも立っていると尿道がカテーテルに引っ張られて痛い。体を動かすとおなかのダヴィンチの手術跡やチンコが痛い。
そして、お腹の中にたまった液を排出するためのドレーンと呼ばれるチューブから結構な量の血の混じったような液体が出てくる。
そのうち出なくなるらしいがまだその気配はない。
9月10日 手術後6日目 ドレーンを抜いて初シャワー
午前中、ドレーンを抜いたけど抜いた穴から出てくる汁で病衣を汚してしまう。何度かガーゼと病衣を換えました。
手術後、初めてシャワーを浴びた。体を洗う動作でチンコに刺さったカテーテルが揺れて痛い。
ベッドからの起き上がり、立ち上がる時など腹圧がかかるたびにおしっこがじわじわ出る。カテーテルが入っているのに尿道口の横からおしっこが漏れ出してパッドが濡れていく。
こんなもんなんだろうか…。
9月13日 手術後9日目 チンコの管を抜く
お昼ごろ、泌尿器科に呼ばれて造影をして尿管から漏れがないかを確認した後、カテーテルを抜きました。
チンコのカテーテルが揺れただけでものすごく痛みを感じていたので、抜くときはさらに痛くなる想像をしていたけど、するっと抜けた感じで痛くありませんでした。
ただ、カテーテルを抜いて起き上がる瞬間、おしっこがあふれ出てあわてました。そうなることを見越して、看護師さんがちゃんと尿器を当ててくれていたので、おしっこをまき散らさずに済みました。
9月14日 手術後10日目 退院
午前中、退院となりました。
尿漏れとカテーテルを抜いた後もチンコの違和感と痛みは変わらず。座っていると股間が圧迫されている感じで痛みを感じます。
退院する前日にがん保険の請求に必要な診断書を3通依頼しました。23100円。なかなかのお値段。
手術、入院費用はの合計は、143935円。診断書の費用と合わせて、167035円。
今日の費用 167035円
これまでの費用 267505円
9月15日 チンコが腫れ上がる!!!!
退院の次の日、どうしてもはずせない用事があり3時間ほど運転して一日中歩き回りました。
早朝から運転を含めて14時間ほど行動していました。運転して歩いて運転して。
入院中からすこしチンコというか袋が膨らんでいる感覚はあったのですが、それがさらに膨れ上がった感じで、玉袋が巨大化してしまいました。
大きさでいうと両手ですくうぐらいの大きさです。
水分が溜まっているようでかなりの重さの袋がぶら下がっている感じです。
9月16日 玉袋が巨大化!緊急で診察申し込み
昨日よりさらに玉袋が膨れあがりました。
玉袋のことが心配で手術を受けた病院に連絡し診察を予約しました。突然の診察の申し込みだったので三時間ほど待ちました。
診察の結果は「陰嚢水腫」でした。
主治医は特に驚くこともなく、「自然に収まるでしょう。しばらく様子を見て、収まらなかったらその時考えましょう」と軽い感じでした。
前立腺がんの術後にはよくあることなのか?
調べてみると、前立腺全摘術後の陰嚢水腫は、前立腺周囲のリンパ管切除と関連があるみたい。
9月20日 手術後16日目 仕事復帰前日
チンコ袋の腫れ、「陰嚢水腫」の大きさはあまり変わりません。相変わらず両手で救うぐらいの大きさがあります。
この大きさのせいで座るときのポジションに気を使います。
入院中からある尿道の違和感は相変わらずで、尿道に管が入っている感じがずっと続いています。
おしっこを出そうと腹圧をかけるとチンコの棒が痛い感じがします。
仕事復帰した時の予行練習のつもりで今日一日、普通のパンツに「ライフリーさわやか安心パッド」を使って過ごしてみました。
今の状態では尿量が多すぎて尿をパッドに吸収しきれずあふれて漏らしてしまいました。今のおしっこを止めることができない状態では簡易なパッドはまだ早いみたいです。
メットライフのがん保険、住宅ローンの契約時に付けたカーディフ生命のがん保険、県民共済のがん保険、請求出しました。
9月21日 手術後17日目 仕事復帰!!
車で1時間くらい通勤しているのですが、職場について車から降りながら立ち上がると、水門の栓が外れたようにおむつの中におしっこが放水されました。
おしっこを止めようとして力むと、放水の勢いは増すばかりで出し切って放水が止まるのを待つしかありませんでした。あまりの勢いにズボンまで染み出さないか心配になるくらいでした。
久しぶりの仕事。入院中は寝てばかりいたし、退院してからもあまり体を動かすことがなかったので、体がすごくきつかったです。体だけでなく、職場でのパッド交換や尿漏れの不安がストレスとなりました。
常におしっこが漏れている状態なのでパッドにおしっこがたまって周りの人に匂いが伝わらないか心配でした。
左足首のしびれと鼠径部の感覚の低下はかわらず、仕事中の歩きや階段が疲れました。
歩くときに左足を引きずっている状態で、膝に力が入らず、時々膝折れするので階段を降りるときは特に注意が必要で手すりが頼りでした。
9月26日 退院してから初めての血尿
職場でパッド交換している時に血尿に気づきました。
ネットで前立腺の手術後の血尿について調べてみると、水分量の低下が原因となることがあるみたいでした。
仕事に復帰してから水分をとる機会が少なかったような気がする。
次からは大きめの水筒に変えて水分摂取を意識することにしました。
この日から4日ほど血尿が続きました。
10月24日 退院後、1か月。久しぶりの診察。
今日の検査は、「採血、検尿、勢い、残尿量のエコー検査」でした。
検尿コップを渡されておしっこを取るように言われたが、おしっこは体を動かすたびにパッドに出てしまう。
検尿コップには集められないことを看護師さんに告げると、「水飲んで頑張れ」と言われた。
診察の時に足のしびれ、左の鼠径部の感覚低下がまだあることを伝えたが「あ、そうなのね。」ってな感じでスルーでした。
PSAは、0.005 でした。順調です。
治療としては終わった感じです。ずっと経過を見守っていく感じなのかな。
次の診察は3か月後です。